祖父母から孫へ教育資金の贈与をした場合
祖父母の方が、お孫さんの学費などの教育資金を支払う場合に、贈与税がかかってしまうのか気になるところだと思います。原則として、贈与を行うと贈与税がかかりますが、教育資金については一定の要件を満たすことで贈与税が非課税となりますので、今回は「教育資金の一括贈与を受けた場合の特例」についてみていきたいと思います。
教育資金に贈与税はかかる?
一人の人が1月1日から12月31日までの1年間に、贈与を受けた金額が110万円以下の場合は贈与税がかかりませんので、祖父母の方が支払った学費が110万円以下であれば贈与税はかかりません。
また、祖父母の方が直接学校へ学費を支払う、又は学費を支払う時期に必要な分(支払う金額分)だけ贈与する場合も贈与税がかかりません。
しかしお孫さんたちに将来必要な教育資金を一括で贈与したい場合には、贈与税がかかってしまいますので、贈与税がかからないように贈与をしたい場合には、一定の手続きをとることが必要です。
手続き
1. 対象者
贈与する方 父母や祖父母など
贈与を受ける方 30歳未満の子や孫
2. 非課税となる金額
1,500万円まで
このうち学校等以外に支払うものについては500万円まで
3. 対象となる贈与
- 学校等に対して支払う入学金・授業料・保育料など
- 学校等に対して支払う学用品の購入、修学旅行費用など
- 学習塾や水泳教室に直接支払われるもの
- 通学定期代、留学のための渡航費などの交通費
- その他一定のもの
4. 必要な手続き
金融機関に、教育資金口座の開設を行い「教育資金非課税申告書」を口座開設を行った金融機関等を経由して税務署に提出する必要があります。
5. 注意点
- 金融機関等から教育資金の払い出しを行う場合は、領収書等の提出が必要になりますので、学費等の支払を先に行う必要があります。
- 贈与を受けた金額をすべて使いきれない状態で、贈与を受けた方が30歳に達すると、原則として残額に対して贈与税がかかります。
- 贈与をした方がお亡くなりになると、原則として相続税がかかります。
最後に
教育資金の一括贈与が非課税となる特例は、令和5年3月31日までに一定の手続きを行って贈与をした場合となります。教育資金等の一括贈与を検討されている方は、なるべくお早目に手続きをされることをお勧めします。今回記載した要件などは主な要件となりますので、詳細についてはお問い合わせください。